眠った村と壊れた橋。

レビュー多。

ARIA The ORIGINATION サントラへのAmazonレビューの写し

★★★★★『シリーズ中最も結晶度の高いサントラでは?』


「オリジネーションは未見ですが、アリアの音楽が大好きで購入。
 聴きだしてすぐ、涙ぐましいほどの美しさにうっとりとしてしまいました。


 ストーリーを見ないで聴いてしみじみとしたのは、ルーミスエテルネです。この歌、アリスちゃんが歌ってるんですね。表情のかたい彼女が歌を歌うとは、何だか微笑ましい気分になります。
 ……確かに、そうですよね。アリスちゃんは絶好のカンツォーネの歌い手の後輩なんですもの。ゴンドラ漕ぎだけじゃなく、歌も上手じゃないとね。
 でも、少し歌い方につたなさがある気がします。意図的なんでしょうか? だけどその方が、うまいよりむしろ好ましい。アリスちゃんが歌い手として成長していく前途が見えてくるようでね。
 実際、劇中で彼女とこの歌は、どのように関連して描かれているんでしょう? 気になります。これから見るのがすごく楽しみですね。


 ただ称賛するだけでは足りず、感謝もしたくなるような、珠玉の、至高のサントラです。


 こんなに美しい作品たちを、どうもありがとう。」


ARIA The ORIGINATION ORIGINAL SOUND TRACK tre
ARIA The ORIGINATION ORIGINAL SOUND TRACK tre
JVCエンタテインメント
2008-02-20
ミュージック

劇場版『あの花』へのAmazonレビューの写し

★★★★★『未来に刻まれた、あの花の名前』


「この映画に描かれている時期は、めんまが幽霊として現れた夏の一年後。じんたんたちは高校二年生になっている。
 あの夏よりちょうど一年過ぎた後の同じ季節を、去年のことを振り返りつつ、めんまを除く皆でしみじみ過ごすというのが、主なストーリーらしい。そのため、回想シーンは多めだ。
  
 その回想シーンの中で印象的と思われたのは、めんまの出自と、彼女の後の性格を形成する孤立の経験だ。
 ただでさえ感受性の強い彼女は、その経験によってあのような儚い運命を辿ることになったんじゃないか?


 それはさておき、
 めんまの心の深部にあるメッセージを汲み取ってやれたじんたんは、やっぱり偉い。
 何となく微かな感じのするかけがえのない友だちを、過去に失いはしたけど、彼はその存在の痕跡をぎゅっと逃さずに自分の手に、あるいは心に捕え、現実に保つことが出来た。それはきっと、遠い未来まで大事に保存されることだろう。もしかすると、彼が他界した後にもなお。
 「かっけぇんすよ」の賛辞に値する。


 しかし、こういうアニメがこれからも作られ続けることを、わたしは切に願いますね。
 (幽霊の頼みごとのような)静寂の言葉や、流れる風、漂う空気の心を感じ取れるひとの物語が、途絶えずに継承されていくことを、ですね。


 この映画は、テレビオンエア版と同様、分かりよい内容、物語の運びではないと思います。謎や難解な点が少なくないでしょう。
 しかし、その謎は性急に解決される必要のあるものじゃなくて、まるで亡くなった親族についての中々思い出せない事柄のように、穏やかに、末永く残り記憶の中に続けるもの、とわたしは感じます。
 ひとの心と非常に親和的な印象を、その謎は持っているように思えます。


 今は分からなくても、理解し得なくても、いずれ分かるのではないか? そんなほのかな希望を、わたしは胸の中に抱きました。


 テレビ版を見た時と同じく、この映画でも感動させてもらえました。
 スタッフの皆さんに多謝です。」


劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(完全生産限定版) [Blu-ray]
劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(完全生産限定版) [Blu-ray]
アニプレックス
2014-03-05
DVD

『Drama』(buzzG)へのAmazonレビューの写し

★★★★★『たった一枚のCDに込められた広く鮮やかな世界


「一聴して呆然。美しい情趣に満ちた歌の数々に、平生の意識が奪われる。

 前から印象的だったが、このCDで確信した。よく洗練された演奏、アレンジ。素晴らしいのひと言。時折耳にクリアに入ってくる歌詞にも胸がじーんと来る。
 buzzGはグミを上手に歌わせる人だという固定観念があったが、ミクを歌わせるのも同じく上手だ。この人に指揮されるミクもまた、その他の優れたボカロPと同じく独自なミクになっている。聴く者をしみじみとさせる、新しい、佳(よ)い味わいがある。


 このCDを買って、初めて再生した時、その音楽世界に、万感胸に迫るといった風に、様々の感情がよく馴染んだ。喜びや哀しみ、共感や同調といった一々の情動の枠を超えて、感受の心はどこか、忘我や無心と言うべき境地の涯(はて)まで突き抜けた。


 そして、何だか切ない気持ちになったのは、わたしだけでしょうか?」


Drama (深町なか描き下ろし!数量限定ストラップ付き)ジャケットイラストレーター:toi8
Drama (深町なか描き下ろし!数量限定ストラップ付き)ジャケットイラストレーター:toi8
エグジットチューンズ
2013-12-04
ミュージック