眠った村と壊れた橋。

レビュー多。

室温90℃で、景気のはなし

日本の先行きはあまり明るくない、というのは、ほとんどの本国民が共有する憂患であろうと思う。


今日ぼくは銭湯に行ってきた。ちょくちょくリフレッシュに行くようにしているのだ。仕事でプライベートでストレスがたまるので、広い浴槽で足を伸ばしてくつろぎたい。そんな気持ちでぼくは突っかけを履いて軽装でのれんを潜った。


好きなのはサウナだ。行きつけの銭湯のサウナは室温が90℃になっている。思うに結構高めの値だ。前に行った淡路島のホテルのサウナは70℃くらいでぬるく感じたことを覚えている。


ちょっと普通の風呂に入った後、サウナに入る。


その室内にはぼくの他に男性が二人いた。そして和やかに話していた。たぶん知り合いなのだろうと思う。ひょっとすると銭湯で知り合ったのかも知れない。


ぼくは何だか憂わしい気分になった。話が暗かったのだ、彼等の話す声色は明るかったのだけど。


聞けば、二人共、ずいぶんな年のようだ。一人はS20年生まれで、後一人は彼より8年遅く生まれた。


彼等は今働いているらしい。70を超えているのに、まだ働いているのかと内心驚いた。


それもアルバイトを、運送関係のアルバイトをしているようだった。


週三日出ているようだ。そしてその日数が限界と言っていた。二日で五万円の報酬。高いんだか低いんだか釈然としない。多分、減らされることになった年金では足りず、補填のためにしかたなくやっているのだろう。


しかし大変な仕事のようだ。彼の職場の誰それは長時間労働をしているが、彼は真似できないと言っていた。恐らくその労働時間は半日を超えるだろうと推測される。


やれやれ、本当にこの国は、労働人口を減らさないようにするため、就労していない老人の世話することを省くため、苦心しているようだ。


しかし一番苦しいのは現場で消耗している人達だろう。


どうにかなればいいと、どうにか出来ればいいと、そんな風に憂慮する、サウナでの、暑く、もの哀しいひと時であった。

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