眠った村と壊れた橋。

レビュー多。

抹茶色フィールド

 昨日書くつもりだったものを今日書きます。少しばかり疲れてうたた寝してしまったので、昨日は書く時間がありませんでした。
 ぼくはある自然公園へ行ってきました。森林のようなところです。あまり手入れがされてなく、ほとんど自然のままの、自然まかせの環境です。立つ木々は大体がぼろぼろで、好き勝手に伸び放題ですし、地面も大小ばらばらの石でがたがたです。整備されてないことは一目瞭然ですね。

 苔もたくさんむしています。その苔なんですが、先日までは冬らしい褪せたような褐色(ブラウン)だったのですが、その中に、春の便りの届く時分になったせいか、若々しい青色(グリーン)のものが混じっていました。全体として見ると、その、褐色と青色の混合した苔の感じは、どこかこんがりと焼けた抹茶ケーキのようでした。実に美味しそうでしたね。いや本当に。色合いだけは美味しそうに見えるのです。


 まぁ、それはともかくとして、昨日は曇りと晴れがたびたび交代するような不安定な天気でした。でも、空気は湿っぽくなくて、おおむね過ごしやすい一日でした。玉に瑕だったのは、寒かったことですね。それがぼくには辛かったです。スマホのお天気アプリで見た予報では、そんなに気温が低いようには思えなかったのですが、外に出てみると案外肌寒く、一枚薄いのを上に羽織るため一旦戻りましたが、それでも足りなかったですね。失敗です。分厚いコートやマフラーがあった方が良かったです。北風の強い一日でした。


 そうそう、昨日公園から帰る時――それはカラスの鳴く、夕方の薄暗い頃でしたが――
広場に、まだ遊び続けてる青年たちがいました。彼らはボール遊びをしていました。足で蹴ったり腕で弾いたりして、けっこう激しく遊んでいたので、そのボールは時々こっちに飛んできそうな気配があり、彼らの近くを通り過ぎるぼくは、ぶつかりはしないかと恐れてひやひやしました。
 結局ボールは、ぶつかることこそありませんでしたが、足元にころころと転がってはきました。バレーボールでした。赤・グリーン・白の、あの三色のボールですね。
 取ってあげなくちゃな、と思ったぼくですが、ボールに触れたことなんてここ数年皆無です。中高生の頃は毎日のように触れていましたが、大学生になってからは全然ありません。そのため、ボールは、まるでずっと無縁だったかのように感じられました。なのにぼくは、そのボールが転がってくるのを見て、妙な興奮を持ったことを、今でも鮮烈に覚えています。
 いったい何だったのでしょう、あの興奮は? 答はさして難しくなさそうです。つまり、かなり久々なボール遊びの感覚に、からだが喜んだのです。ただ、喜ぶと同時にからだはびっくりしたので、だいぶんこわばっていました。きっとそれはブランクのせいでしょう。ボールを認識したぼくはすぐに、焦ったような感じで、余裕なさげに腕をがっちりと構えて、受け取る体勢になりました。結果、零すことなくぼくはボールを腕に抱えることができました。いやー、ブサイクにお手玉したりしないか焦りましたよ。
 ぼくがボールを放(ほ)ると、受け取った少年は慇懃に礼を言ってくれました。運動場で学生が入り乱れてボール遊びしたいた時以来の出来事です。何て爽やかなハプニングでしょう!


 でも、これは内容的には大した話じゃないんです。それは読者ご自身がお感じのようにね。ただ、久々にボールに触れたことと、その時に尋常ならぬ興奮を覚えたことが、余りにも鮮烈な体験だったので、ぼくはわざわざあたかも印象的であるかのように書かずにはいられなかったのです。悪しからず!


 これで昨日の話は終わりです。
 では、( ̄^ ̄)ゞ

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