夏目漱石著『坊っちゃん』ブクログレビュー
発売日 : 2012-09-27
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軽い気持ちですらすら読めた。
流麗無礙なその文章は同人の作『こころ』とはかなり印象が違う。
この物語には何か明確なコンセプトがあるのか、と聞かれたらよく分からない。
学校という狭い世界のこと、豪胆さと小心さや、実直と狡猾の対照など、色々あるかと思う。
ただ、巻末の解説にもあるように、故郷やだいなる母性への郷愁はたしかに色濃い。
当て字遊びがちょくちょくあって、そういうところも物語そのものに加えて読んでて面白い長所だ。
おすすめできます。というより、どうやら本著は日本の大小説家の名作らしいので、未読だと要らぬ恥をかくかも知れません。